この記事はペンシルパズル Advent Calendar 2024の22日目の配当です。
※ここから先、並行パズル邂逅記Ⅱのネタバレが多く含まれます。先に問題を解きたい方は、是非この機会にお立ち寄りください。
parallel-puzzle-ii.logicpuzzle.app
※この記事は非常に長く、現時点で20000字を超える分量となっております。
それでも構わない方は、この下へお進み下さい。
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[Z=?? 万華の観測室]
記録人 CW-MV
謝辞
並行パズル邂逅記Ⅱの制作は、2024/01/01その日から始まりました。
続編を制作するに至った最大の理由は、好意的な反応が多く寄せられたことです。
前回は一人のみで作業した結果、幾つかの反省点を生じてしまいました。
それを踏まえ、テスターとしてきなこ屋様/Apppp!!様に、開発としてわんど様/fff様にご協力をお願いしました。御四方の快い了承に大変感謝申し上げます。
そして、並行パズル邂逅記Ⅱの世界へおいで下さった皆様——誠に有難う御座いました。問題不備など拙い部分も多く御座いましたが、何か1つでも皆様の心の中に残るものが有れば幸いです。
並行パズルの観測:種類数
当初、並行パズルⅡ群は10~11種となる見込みでした。これは前作のパズル種数とほぼ同じ数です。
しかし『並行世界』をストーリーに組み込むにあたり、『選択によって出会うパズルが異なる』というギミックを実装しようと考え、20種になりました。最終的には、第十章のサプライズも含めて22種になりました。
22と言えば、この記事の公開日は22日です。このように22(や222)といった数字を、並行パズル邂逅記Ⅱでは少しずつ配置しています*1が、これはパズル種が22であることに基づきます。
並行パズルの観測:全体的な内容
さて、新種パズルを22種類考案する工程は極めて過酷な隘路となりました。
次の項目からそれぞれのパズル種の考案にあたっての具体的な内容に移りますが、その前に全体的な内容について述べようと思います。
※あくまで私はこう作るというメモであり、こうすべきという主張ではありません。そもそもどうやって考案したかは、メタ読みでもしない限りは解き手にとって特に何の関係も無いので、倫理的な範囲内であれば自由で良いと思っています。
- 『核』=そのパズルの特徴となるものを用意する
要は、そのパズルを考案するにあたって主軸とする部分です。
ただ、ここが最初からきっちり決まっていることは少ないですし、作成中に突如としてアイデアが降ってきて根幹がひっくり返ることも有ります(例えば、浸食コロニーは当初は数字配置のパズルの予定でした)。
では何を大事にしたら良いのかとなりますが、これは『自分の感覚を信じる』というのが私なりの考えです。
感覚自体はとてもふんわりしたものであっても、取り入れようとする手掛かりやルールと向き合う指針として大きく機能してくれることが多く有りました。
そして、向き合っていく過程でその感覚を言語化していくことで、核の全体像が自分の中で見えるようになると考えています。
——さて、ここまでが新種パズルとしての話、ここからは並行パズルとしての話です。
並行パズルの核は『既存パズルと似ているようで、何かが確実に変わっている』というものです(後半部分がふんわりした感覚で、そこにそれぞれのパズル種で付け足したいものをトッピングして混ぜ混ぜするというイメージです)。
その為、それぞれのパズルにはキャッチコピーや個性となる要素を1つずつ盛り込むことにしました。例えばシンメトリーループは、並行元のシンメトリー迷路の個性である『記号の対称性で意味が決定される』点をそのままにしつつ、どんな意味が対応するかを意図的に離すことで新たな個性を持たせました*2。
特に幾つかのパズルは、見た目も大幅に変化したことで並行元との繋がりが一見すると見出しにくいものも出来ました(ダイヤの巣窟と、その並行元のステンドグラス等)。ただ、その場合でも何かしらの類似点は見いだせるか、あるいは意図して残しています(ダイヤの巣窟はステンドグラスの手掛かり表出からアイデアを得た結果、並行元がステンドグラスに決定しました)。
- 手掛かりとルールの概形を決める
核が決まっても、その肉付けをしないと果実にはなりません。
ここは先人の知恵を借りるのが有効で、例えば既存のパズルの手掛かりや制約などを(必要なら一般化や言い換えを挟んで)持ってくることが1つの方法です。
たとえばはすのしかくの場合、手掛かり表出はTapaの表出と同じ見た目になっています。これは偶然ではなく、Tapaの『手掛かり数字=周辺(近辺8マスだけを見たとき)の黒マスの塊の面積の一覧』の周辺が表す意味をこのパズル向きに置き換えたのが反映されています。
並行パズルの場合、核の時点である程度の個性=差別点が確保されていることが多く、このステップでは無理して個性を出す必要がありませんでした。その為、比較的自由度が高かったのですが——それは即ち選定に時間が掛かるという意味でもあります。
その為、Puzzle Square JPやKudamono editor*3で既存のパズル種(の中でも、特に投稿数が少ないもの)を手当たり次第に解いてみることにしました。インプットを増やすと考えが非常に明瞭になり、例えばぬりアイスではパーキング・ブラウニーで印象に残った物体を動かすという要素が、最終的に核であるアイスの要素と融合しました。
先人の知恵を借りるにあたっては、こちらのページも参考になります。
scrapbox.io
このページでは様々なパズルのルールを分解することで、王道な手掛かり・制約やユニークなものを可視化しています。ここのリストにもないような制約や手掛かりは、それ単独で独自性を確保できると考えられます。
- 作問チェックで微調整
さて、ルールの概形が決まったら作問チェックです。ここでは主に、次の項目をチェックします。
- 一意解にできるか。複数解が潰しにくい、または逆に解が確保しにくい事態を解消する手段がどれだけ有るか
前者であれば制約を強めるか手掛かりを強力or多彩にする、後者であれば制約や手掛かりを弱めることが考えられます。
また、手掛かりでの微調整がしやすいと作問が大幅に快適になります。
微調整のしやすい手掛かりには、一般的に次の要素が有ります。
- 解収束型である。特に、収束の際に他の解が出現しない。
手掛かりを置くことによる『副作用』がない、と言えます。
逆にぬりかべ等の「各領域に1つずつ」系統は解非収束型なので、手掛かり表出を増やすことに慎重になる必要が有ります。
私は基本的に解収束型の手掛かりが好みで、よく取り入れています。
(例:包囲網やハニールームにおける数字の手掛かりは面積だけを表出し、ぬりかべの様に1エリア1つずつとはしない)
- 表出のバリエーションが多い。特に、数字表出。
一般的に、数字表出は強い意味を持ちます。それでも足りない場合は、Tapa形式などを検討します。
- 僅かな変化に、手掛かりや制約が適度に反応する。
例えば領域の面積は、1マス単位での変化に反応しますが、マスの移動には鈍感です。四角に切れなどのルールでは大変強い手掛かりですが、大きく複雑な形の領域が幾つも出てくるパズルにとっては心許ない手掛かりになるでしょう。
逆に、過敏に反応するのも困りものです。1つの手掛かりだけで大部分が決まることが多く有るのであれば、それは予想外の飛び火もしやすいということでもあります。この辺りは作問をしながら良さそうか判断しています。
- 解き筋や、解き心地はどうか
この辺りは好みによるところだと思いますが、私は(特におてごろ相当の問題は)ある程度盤面の展開が予測できることが望ましいと思っています*4。例えば初動がまるで用意できないようであれば、手掛かりを強める方向に傾けます。
(※特に難易度 らくらく/おてごろ 相当の問題を用意するのが非常に困難な場合は、手掛かりか制約を見直します。実際にカラースティッチがこの観点から大幅な変更を受けました)
また、作問の途中で手筋を発掘することも有ります。その手筋が気に入ったのであればそれで良し、気に入らなかったり作問の障害になる(複数解の発生源や、予想外の飛び火で解を無くす要因になり得る)のであれば制約を緩めるなどで対処しています。
例えばそとみさきでは当初、白マス2×2禁を課していましたが、予想外の飛び火が発生したので採用を取りやめました。結果、みさきを作らない様にわざと2×2領域を形成する解き筋が生まれ、これがルール確定の決め手になりました。
- Penpa+上でまともに盤面を描けるか / まともに解けるか
パズルの要素ごとにまとめて、私が良く使う方法を載せます。
- ループ・パス
linexかlineox、edgexoi(まれにedgeaux)が有力候補です。lineoxは通るマスと通らないマスを区別したいときに、edgexoiはループの内外を考えたい場合に有効になります。
linexとlineoxの両方が使いたい場合は、yajilinやrassi silaiも候補に挙がります。ループやパスをテーマにしたパズルは多く、その為かツールが豊富にあるのがこのジャンルの良い点です。
- 有向ループ・有向パス
向きを気にする場合は、linedirが有力候補です。残念ながらedge版のedgedirは無いので、その場合は手掛かりの方をずらして配置します(draw on edgesをonにします)。
- 記号配置
記号の形状にもよりますが、無難に行けば○×△□のox_Gあたりになります(Ⅱの浸食コロニーなど)。ただこれでは判定ができないので、判定するのであればstar(それも1~3まで)になります。
なお、バトルシップやシャカシャカの記号は、battleship / shakashakaでそのまま判定に使えます(無印の美術回廊やⅡのぬりアイスなど)。
- 黒マス配置
surfaceかbipoが有力候補です。どちらが良いかは黒く塗らない所へつけるマークの直感への反しなさで決めています。私は個人的にsurfaceの方が好みです。
- 領域分割
edgexoiかedgeauxが有力候補です。どちらが良いかは塗分けの必要性や、線を引かない所へつけるマークの直感への反しなさで決めています。
- 特殊な記号
penpa+で使える記号にも限界が有ります。大抵は代用すれば良いのですが、どうしても使いたい場合はnumberからpanelをon→text文字入力で近い文字を入れるという手段が有ります。
なお、文字や記号の回転は有りませんがそもそもpenpa+で回転する必要のある記号もそこまでないので、ここはあまり困りません。
- 特殊な線
対角線やその他の斜め線を引きたい場合は、lineかedgeからdiagonal, freeのツールを選択します。
また、penpa+では緑色の線のみ判定するので、その他の色を使う場合は判定に『全ての線を緑にしたものを答えにする』などの策を取る必要が有ります*5。
- 最終手段
なお、penpa+上ではどうしても無理な場合は、penpa+ではなくExcelなどで頑張って作ることになります。こうなると本当に色々と大変な上、盤面上で解くことや解答判定などが絶望的になってしまいます。
今回は開発のお二方のご協力でアンサーキー形式を採用できたため、問題だけpenpa+で実装出来れば十分なことが多く、特に浸食コロニーやフォーミュレーションが恩恵に与りました。
因みに、並行パズル邂逅記は(特にⅡは)どれも盤面が狭いものが多く、大半のパズルが4*4~7*7の範囲に収まっています*6。これは私がなるべく盤面を狭くして作問するためで、こうすることで複数解などの点検をしやすくしています。
並行パズルの観測:序盤
初期に出来た並行パズルは、以前の企画のネタの再利用が主でした。ほぼ日の目を見ることの無かったパズルがついに活用できる——大きな期待と共に観測は始まりました。
※以下、パズル名(対応する章-対応する選択肢の位置)
パズルの簡易説明
観測の詳細
という形式で記述します。
- フォーミュレーション (10-C)
選択肢を並び替えて、正しい式を作る
没企画『数式言語シリーズ』からのアイデアです。
この企画は言葉のパズルの言葉を数式に置き換えるというものです。並行元のセレクトワーズに有る灰色マスの扱いに難航し、最終的に変数に落ち着きました。
変数としたことで新たな問題点が生まれ、それは『2aとは書いてもa2と書く例は中々見たことが無い』など、数学的には問題ないと思われるが慣習的に違和感があるもの*7を式と見做してよいかということでした。結局、この問題は数字以外はくっつけて1つのかたまりと見做すことはできない(2aもダメで、2×aとする必要がある)として解決させました。結果的にですが、これにより演算子関連の推論がしやすくなりました。
ちなみに、ルール文中にある『関係』はれっきとした数学用語です。これには=や≦などが該当し、2つの間に何らかの法則が成り立つことを意味します。
当初はより数式らしい見た目にするために∈などの記号を用いていましたが、可読性を踏まえて平易な日本語に直しました。内容も挑戦問題1などに出てくる累乗の記号や素数など、中学数学以内に抑えています。
『横方向に点線が無いとくっ付く』ルールはセレクトワーズの既存バリアントに有ったものですが、通常問題5のような使い方ができると考えて正式に採用しました。その後、通常問題2のような使い方にも気付き、問題に入れ込みました。
名称は悩んだ末、公式化(formulaで公式、数式の意味)=formulationをそのままカタカナにしました。
- スージー (10-D)
◯内の数字は、同じ領域の他の数字の総和か相乗
- 重力レンズ (08-B)
レンズを通して星を見ると倍に増える
- シンメトリーループ (02-A)
記号の対称性が記号の意味を表す
- Knight Watch / 八桂 (07-A)
ナイトが成す角度を時計で表現
この4種は(ほぼ没)企画『Puzzle Understand』の再利用です。
この企画はUnderstandの各問題をパズル=一意解にするという試みであり、少し特殊なルールを組み込んだパズルを用意して、そのルールを解き手が数問の間に推測するというものでした。例えばシンメトリーループにおける記号の分類やKnight WatchにおけるⅢとⅨの違いなどは、推測の山場となるポイントとして設計しました。
シンメトリーループは並行元のシンメトリー迷路から着想を得たパズルで、そこにミッドループの要素を加えて再構成したものです。S字とU字の表出は、例えば『SとUとが隣り合うと、S側が5マス以上に跨って伸びる』などの新たな解き筋を産み(問題ではほぼ採用しなかったのですが、内外手筋との相性も良好です)、これがルール確定の決め手となりました。なお、同時期に偶然にもLUZループという新種が登場しました。時期が違えば、こちらとの並行になっていたかもしれません。
Knight Watch / 八桂は桂馬線を用いたパズルを作ろうという試みのもとに生まれました(ナイトリンクの存在を知ったのはずっと後です)。時計表出のアイデアは早い段階であり、ではⅢとⅨとの違いは……?と考えた結果、ループの内外を採用しました。
スージーは『手掛かりの意味が確定しない』という非常に緩い制約の中でどんな推論が出来るかという実験作だったのですが、総和か総乗というのはそれなりに強い制約で、特に全体盤面からの大域手筋が強力になりました。これはこれで面白いと思って採用しましたが、とはいえ大域手筋は作るのも解くのも難しく、結果的に盤面サイズが最大でも5×5という極小盤面のパズルになりました。
重力レンズは並行元の01コンパリゾンの他にも、玉石混交プレースやスターバトルが影響元となっています。+1+1=+1×2の区別をするために、各領域に1つずつ&同一記号8方向隣接禁の制約を付けることで対応しました。
また、スージーと重力レンズはPuzzle Understandの段階ではそれぞれ『円1マスだけの領域を許容』『各領域にどちらかの記号のみを1つ入れる』というルールが有りましたが、並行化に際して多少のマイナーチェンジを加えました。
名称はそれぞれ、
スージー 並行元のアンドレが人名であること+数字
重力レンズ 強い重力場がレンズの様に働き、遠くの星が増えて見える重力レンズ効果
シンメトリーループ 並行元のシンメトリー迷路+ループ
Knight Watch / 八桂 共にパズルの時計/桂馬要素と、Night watch(夜警)
から名付けられています。
なお、スージーの挑戦問題2はテスターのお二方からハバネロ*8評価を受けました。両名からハバネロ評価を受けた問題は他にハニールームの挑戦問題2しかなく(加えてその問題は直感に頼った引きが有効なため)、並行パズル邂逅記Ⅱの中で最も難しい問題だったと言えるのではないでしょうか。
- 加算ハニカム (06-A)
六角盤面、◯内の数字は周囲最大3マスの和
前作『並行パズル邂逅記』の加算コーナーの反省を踏まえてリメイクしたもので、全体制約を局所制約に変えて確認をしやすくしました。結果としてナンバーブロックと似た推論が可能になり、新たな作問ルートが開けました。
加算コーナーもそうですが、六角格子にしたことで足し算が2~3個になり、私にとって程よく扱えるようになりました(四角では2の次は4で、一気に手掛かりとして弱くなります)。
名称は加算コーナーとハニカム格子からです。
余談ですが、並行パズルを考案するにあたって前作今作共に最も苦戦したジャンルが数字配置系のパズルでした*9。大きな数字のカウントや複雑な計算要素は煩雑さとの戦いになりますし、ラテン方陣系は数独のバリアントという形でかなり出尽くされています*10。はっきり言って、このジャンルの考案は鬼門だと思っています*11。
- ナビゲーター (01-A)
0から1まで道を作る、分数はその地点が道のりのどの辺りかを表す
こちらは例外で、分数を使いたいというコンセプトのもと完全に新規で考案されたものでした。そのとき最初に作成した問題が挑戦問題2となります。この時点ではルール4が無く、その後の作問で整備されました。
名称はそれなりに悩み、最終的に分数表記が『行程のN%を完了』というニュアンスっぽいと考えてこの名称に決まりました。
なお、何気にスタートとゴールの表記がそれぞれ0と1という極めて珍しいパズルになりました(ドミノ渡しの様に、SとGが多い印象です*12の最小元と最大元っぽさがあり、私は好みです。
並行パズルの観測:中盤
中盤になると、ルールの根幹が最初から決まることが少なくなりました。ここからのパズルは、全て並行パズル邂逅記Ⅱに向けて新規に考案したものになります。大本は決まっていたものの、微調整に時間を掛けたケースが多く有った印象です。
- そとみさき (04-A)
白マスみさき全表出、但し1繋がりなのは黒マス
みさきを用いたパズルを考案したいという考えが有り、そこでぬりみさきをベースにしました。当初は白マスにも2×2禁を適用していました*13が、この制約は想像よりもずっと強く、少ない手掛かりで破綻する可能性が大いにありました。そこで白マスのみ2×2禁を適用したところ、丁度良くなりました。また、手掛かり表出が視界形式*14なのは既存のぬりみさきバリアントに有り、なおかつみさきの数字と整合性が取れることから採用しました。
名称はぬりみさきの白黒反転ということで、外+ぬりみさきです。
余談ですが、そとみさきを作問するにあたってぬりみさきを少しばかりですが解き、みさきへの恐怖感が薄れました。食わず嫌いはダメということですね。両方解いてみた結果として、そとみさきは本家ぬりみさきよりループ形成に必要なサイズが小さい分、手筋が微調整向きになっている(逆にぬりみさきは個々の手筋が強力)という印象を受けました。
- はすのしかく (04-B)
数字は角で接する長方形の面積一覧
並行元のはすのむらと同様に、そのマスではなく別の(特に、斜めに隣接する)マスの情報を提示する手掛かりを使おうというアイデアです。
当初、4方の角に接する黒マスの面積を独立に表示していました*15。この手掛かり表出は特に幾つかの角で情報が欠けていると非常に弱く、作問に大変手こずりました。自身の情報が特に得られないというのは、想像以上に推論を難しくする要素だったのです。
そこで意図的に手掛かりを強力にすることを考え、最終的にTapaの表出*16を真似て『接する全領域の面積一覧』+『同一面積隣接禁』が採用されました。この2つの組合せは相性が良く、手掛かりの数字から自身の面積がある程度推測できることが決め手になりました。
名称は並行先のはすのむらに、黒マス領域の形状である四角を合わせたものです。
- ハニールーム (06-B)
六角盤面、どの黒マスも周囲6マスに2,3個の黒マスを持つ
原型は四角盤面で、各黒マスが周囲8マスに2,3個の黒マスを持つことから『ライフネット』という仮名称(ライフゲームに由来)で呼ばれていました。これは3マスL字の扱いが難しいなどの懸念点が有り、そこで六角盤面に変更しました。六角盤面になったことでハニーテリトリーとの繋がりが生まれ、加算ハニカムとまとめて6章で扱うこととなりました。
黒マスの形状から『ハニーサーキット』という名称も考えていましたが、同名のパズルが有ったため現在の名称を採用しました。白マスの領域を黒マスに区切られた部屋のように例えての名前です。
ところで、挑戦問題2はテスター両名からハバネロ評価を受けた超難問ですが、この評価はあくまで理詰めの難しさであり直感はかなり有効です。通常問題では物足りない方は是非挑戦してみて下さい。
- Just Time (07-B)
時計の針を書き込んで1つのループに、数字は短針と長針が成す時刻
時計をパズルに組み込むという発想で、Knight Watchとの繋がりを意識して作られました。手掛かりの1つである✕マークは、Knight Watchから輸入したものです。
このパズル特有の『短針長針で長さが必ず異なる』という制約は、初めは制約として弱く非本質的ではないかと採用に戸惑っていましたが、作問してみると特に狭い盤面との相性が良いことが分かり採用されました。斜め線の幅に強い制約を掛けられるのは、一意解性の確保において非常に嬉しいポイントでした*17。
名称は「N時ジャスト」の他に、adjust the time(時刻調整)にも掛けています。何気にストーリーにも組み込まれた要素です。
- ダイヤの巣窟 (08-A)
◢◣と◢◤で分割、記号は周囲の領域で多い方の形
当初、前作の美術回廊の様にshaka記号を用いたパズルの予定でした。アイデアに難航した結果、最終的に領域の形にのみ直角二等辺三角形が残りました。当初は正方形も許容していましたが、並行元のステンドグラスの様に2種類のうち多い方を表出する現在の手掛かり形式を思いついたことで削除されました。
なお、5×5盤面で作問しようとしてとあることに気付き*18、結果として盤面の形が初めから欠けている問題も作成しました。配置によっては角の手筋が消えるのが惜しいですが……
名称は、2つの領域が共に2-iamond*19であることからです。
余談ですが、前半と後半の問題に大幅な難易度の乖離が出来てしまった為、急いで中程度の難易度の問題を作成したという経緯が有ります*20。
- カラースティッチ (03-A)
同じ色の点同士を折れ曲がりの無い線で結ぶ、数字は4方向に見えるマス数
序盤から根幹アイデアは有ったものの、形にするまでに長い時間を要しました。原型ではCrossstitchとペアノ曲線にかけて『ペアノスティッチ』という仮名称で、挑戦問題2のように2色の円を互い違いに並べた配置固定でした。手掛かり形式の決め方に難航し、Ivy形式*21などを試したもののどうにも上手く行きませんでした。その後、思い切ってルールをより一般化し、複雑さを減らすことで現在の形に至りました。
もはやスティッチ=網目、縫い目の要素はそんなにありませんが、アイデア元のCrossstitchになぞらえて現在の名称になっています。
なお、このパズルの挑戦問題2はテスターの方の1人からハバネロ評価を受けました。……ペアノスティッチにはかなり非自明な手筋が有ったということです*22。
- ガイドデータ (01-B)
一方か両方の端点を✕印に、数字は折れ線がその方向に何回進むか
並行元のCompassを線のパズルにする発想が原点でした。初期の時点で数字のルールは確定していたものの、端点隣接禁の制約がどう働くか未知数でした(この制約を試す過程で出来たものが挑戦問題1です)。色々と試した結果、この制約は盤面内に引く壁と非常に相性が良く、採用に至りました*23。
名称はおなじく線のパズル、カーブデータになぞらえています。この名称から、ナビゲーターと同じく1章に配置することが早期に決定しました。
並行元のCompassは大胆かつ緻密な大域手筋が多く見られる(=比較的作問が難しめと思われる)パズルなのですが、こちらは盤面内に壁を引けるようにしたため微調整がしやすく、結果として作問に大きく苦労することが無くなりました。とはいえ大域的な見方を要求する問題が作れない訳ではなく、挑戦問題2などがその手の推論を必要とします。
並行パズルの観測:終盤
終盤のパズルは特に難産を極めました。特にアイデアだけあって、その形成がなかなか上手く行かなかったものが多く有った印象です。それもあり、考案にはこれまでのパズルの倍を超える時間を掛けています。
- ドミノ渡し (03-B)
SからGまでドミノの列を作る、記号はドミノの向きと直後のドミノの方向
当初『デロス島の災難』*24という仮名称で、Timber!の木を1*1*2の直方体の柱に変え、柱を倒し転がす立体パズル的なものを考えていました。
これはBloxorzやIslands of Insightのローリングブロックに類似していた為、大幅な変更を迫られました。結果、転がすという要素まで取り去り、ただドミノを繋げるという方向に簡略化されました。一方で、失ったトリッキーさはヒント表出に反映させました。
同方向3連禁は当初、レンガのように互い違いで連ねる配置で別解が発生しやすくなることを危惧して課した制約でした。この制約は意外にも他の箇所に影響し、例えば1列だけで道を繋げることが難しくなるなどの発見が有ったため正式に採用されました。
名称はドミノ倒し+橋渡しです。
なお、ヒント記号の黒円には本当は矢印を使いたかったものの、Penpa+では記号の重ね合わせが出来ず泣く泣く断念したという理由が有ります(あの黒円は、実はテキスト装飾です)。
- カーペット (10-B)
◯印からカーペットを伸ばす、手掛かりを先端に巻き取ることができる
やじさん倉庫番やブラウニーなどに影響を受けたパズルです。
序盤から『ブロックを動かす代わりに伸ばす』というアイデア自体は有ったものの、細かい仕様が殆ど決まっていませんでした。ヒントごと動かすのはどうだろう……?というアイデアが降ってきたことで、このパズルは急速に完成しました。
2×2禁や1繋がり等の制約は十分に採用の余地がありましたが、最終的に全て取り外しました。ヒント数字を巻き取って動かすという独自の挙動は、これ1つに焦点を絞るに十分と考えてのことでした。
名称は、カーペットを転がしたときの様にヒント数字を先端に巻き付けて伸びていく様子からです。
なお、一意解テストの段階でミスが多く見つかったパズル種でもありました。自己参照できるのが中々意識外に行ってしまいます……テスターの方に感謝です。
- ウロボロス (09-A)
蛇の頭が見つめる尾、繋げると巨大なループ
pencil記号(ペンシルズで用いる記号です)が生物の目に見えることから着想を受けたパズルです。へびいちごと掛け合わせることで根幹は出来たものの、手掛かりの表すものが長らく決まりませんでした。全体の長さやしっぽまでの長さなどの手掛かりを試した結果、最終的に黒マス視界形式と相性が良いと判断し、現在の形に至りました。
名称のウロボロスとは、自分のしっぽを嚙んだ伝説上の大蛇のことです。
ヘビの性質上、狭い盤面では何匹も配置することが難しく、並行パズル邂逅記Ⅱの中では比較的問題が簡単なパズル種となりました*25。
- 浸食コロニー (09-B)
記号コロニーが領域をまたぐ、またいだ領域全てで占めるマス数は同じ
当初、2つ目の数字配置パズルとして設計されました。ソウルメイツやフィルオミノを融合させたものを考えようとしましたが、『同じ数字の組が幾つかの領域にまたがることがある』『またがる場合は双方の領域内で何らかの制約が働く』という要素に追加で数字の要素を加えることが難しく、断念しました。
結果、数としての役割を失った記号が採用され、その過程でとんとんべやとの並行化が実現しました。記号が3種類のときが一番バランスが良かったのも、細かな良ポイントでした。
数字配置パズルが原点なこともあり、名称は数コロ(数字増殖コロニー)から着想を得ています。
- Cup and Gap (05-A)
どの領域も長方形-長方形、白黒の円で2つの長方形の面積を表示
当初は並行元のインボックス・アウトボックスに倣って、領域の形に制限が有りませんでした(白はそのまま、黒は白の数字-面積)。これは特に大きな領域を登場させるにあたって複数解を潰すのが非常に難しく、領域の形を絞ることにしました。凹凸口にも影響を受けつつ、最終的に現在の制約になりました。
O形の領域を許容するかは最後まで悩んだ挙句、どちらでも問題ない様に作問した結果どの問題にも出現しませんでした。
名称はそれなりに悩み、最終的に取り去られる長方形=隙間とそれに近い字面の言葉を選びました。
- Trace as ABC (10-A)
辿った文字を最初から読むと、◯内の文字列に
チェックポイントの他に、タメイロからも着想を得たパズルです。初めの仮名称は『ハーベスト』で、通る記号がフルーツ*26で回収の順番は考えず種類と個数だけを合わせるルールでしたが、タメイロに影響を受け現在の形になりました。
由来はEasy as ABCとTrace=『~を辿る』です。(※筆者は英語力が皆無なため、名称が英語の文法的に変だとしてもどうか温かい目で見守ってあげて下さい)
なお、初めの時点では*(=?何文字分でも良い記号)を用意する気でいたのですが、無くても作問できたので取り止めました。
並行パズルの観測:最終盤
ストーリーの執筆にあたって考えたことは、サプライズ要素でした。今回はまず、第一章で分岐先のそれぞれに対応するパズルが有るというサプライズを用意しました。そして最終の第十章にあたって、更なるサプライズを用意することにしました――『2つ目の分岐』です。
このサプライズに必要なものは、更なるパズル2種でした。こうして、本当に最後の観測が始まりました。
- 包囲網 (02-B)
灰色線と合わせて数字を囲む、数字は囲まれた領域の面積
クロスウォールを改良し、2色塗分けとループに関連するパズルを再構成する案の1つです。意外にもこのパズルのアイデアは早い段階で纏まり、領域分割に入れる余計な線を全表出することで上手く行きました。
名称は解答盤面の輪が数字を取り囲むように見えることからです。
なお、テスターの方が最も苦労したパズルでもあり、その為2色塗分けを必要とせず簡単に解ける問題を製作して追加しました。白円黒円の手掛かりは、2色塗分けを意識した名残です。
- ぬりアイス (05-B)
記号を連ねてアイスを作る、アイスは1方向にのみ滑ることができる
初め、アイスというテーマをアイスバーンの様に立体交差で表現しようと考えていました。しかし思い付きで出てきた『アイスそのものが滑る』という要素との組合せが案外上手く行き、現在のルールが完成しました。
太線に対してアイスがかなり独特な挙動を示す(太線が有ると繋がりが邪魔されるが、太線が無いと移動を邪魔できない)ので、一歩間違えるとバランスが崩れる危うさが有ったのですが——このパズルは奇跡的に上手く行きました。ぬりかべのような数字のマス単独制約だったりと、私が余り採用しないルールが多く組み込まれたように思えます。
名称は初めのテーマ時点でほぼ確定しており、アイスをぬりめいずの様にひらがなにするか少し悩んだ程度でした。
作問
さて、全てのパズル種のルールが確定した後は、いよいよ問題の用意です。この時点で4月になっていました——悠長にしている暇は有りません。
基本的に、ルールを確定させるにあたってテストとして作る問題は2問程度です。その為、そこから更に問題を用意する必要が有りました。
そこで最初に行ったのが、例題の作成です。ここに可能な限り全てのルールを入れ込むことで、例題とその解答だけでもルールの推測がある程度可能なようにしました。
その後、例題を含めて6~7問を用意してテスターの方に難易度評価をお願いします*27。難易度テーブルがある程度分かった所で最後に1~2問を追加して、なだらかな難易度勾配になるようにしました(具体的には、通常が★1~3 / 挑戦が★3~5程度になるように調整しています)。
因みにこの際、テスターの方には解答時間と最後に入力した箇所についても記録をお願いしました。前者は難易度評価の参考に、後者はアンサーキーの位置の参考にです。
大体は事前の私の予測が近かったのですが、一部の問題は問題番号の見直しや挑戦と通常の入れ替えなどを必要としました。例えば、ナビゲーターの通常4と挑戦1は元々配置が逆で、線1本の方が考えやすいとの指摘を受けて現在の順番になりました。
なお、並行2章の問題は初め予定に無く、とある理由で急遽作問することになったものでした*28。その為、08/01までにすべての問題を準備することが非常に難しく、並行章に配置することとなりました。
遺された謎
08/22に公開された、最後のコンテンツ――そこに遺された謎は配置されました。最後のサプライズ要素としてです。
元々、パズルの中に別の方向で解ける隠しパズルを仕込むという案は存在しました。これには Islands of Insight や The24Hours World の影響が大きく有ります。前者は既存のパズルを別のルールで解くものやそれとなくパズル盤面が隠されているものが有り、後者は複数解が進行の分岐というギミックとして作用しました。
ただ、何処に隠しパズルを仕込むか、そしてその隠しパズルは何なのかという要素がなかなか決まらず、一時はパズル種選択を他のパズルで行わせて、その中に隠しパズルを仕込むことまで考えていました。
そんな中——それが飛来したのは、シンメトリーループの作問をしていたときでした。シンメトリーループは記号に自由度が有る自由表出パズルで、そのため盤面に何かしらの意匠を加える余裕が有りました。
(それなら、別のパズルを組み込めないだろうか?)
こうして数時間後、最初の遺された謎が完成しました。それは並行パズルの盤面でありながら、同時に既存のパズルとして解けるものでした。
この頃ストーリーは中盤まで書いており、最初から組み込むことは難しい状況でした。そこで、並行章としてクリア後コンテンツに用意させて頂きました。
……しかしながら、この要素が(特に後半の)ストーリーにも大きく影響していくことになるのですが——最後の言葉を受け取った方には、お分かり頂けることでしょう*29。
ストーリー
実は、1~10章には元ネタとなるゲームが有ります。
幾つお分かり頂けたでしょうか?
クリア実績や挑戦実績(並行1章開放用)の名前も、そのゲームに基づきます。
※通常実績(並行2章開放用)の名前は、ストーリー中に出るものに基づきます。
- Baba is You
タイトル"Where do I go?" は、チュートリアルとなるステージのタイトルです。
[Z=1 網目が統べる地平]、これ自体は2Dパズルの大体が該当しますが——その分、ストーリーにBaba is Youの要素が有ります。
他にも、Baba is Youのステージタイトルから取られた実績名や、本編内でルールとして記述可能な実績名が有ります。
ちなみに、Baba is Youにはステージエディット機能が有り、これを用いてなんと数独をBaba is You上に実装したステージも有ります。
- Patrick's Parabox
再帰を組み込んだパズルで、タイトル通りCycle(サイクル)も実現できます。
[Z=2 出口の無い密林]ではストーリー中に無限ループの要素が出てきますが、それはこのゲームにおける再帰の要素を組み込んだものです。
——不穏な実績名が見えましたか?ゲームを進めると分かるはずです。
ペンシルパズルにおいて再帰という要素はなかなか見かけないので、どこかで組み込みたいと考えています。
- パクレットのウサちゃん捕獲ゲーム
タイトル『崩壊した分岐路』は、とあるステージの名前です。
兎を追って入った穴の先に、それは待ち受けています——
このゲームは想像を超える深淵を見せてくれることでしょう。
[Z=3 脈動する隠れ道]は、このゲームの根幹であるウサギと道の要素から名付けられました。
他にも、ゲームのどこかに出てくる実績名が有ります。
- A Good Snowman Is Hard To Build
タイトルはほぼそのままです。[Z=4 姿を失う雪原]の雪も、ゲーム名のSnowman由来です。
さて、このゲームは雪だるまを作るパズル、なのですが……
もしこの章のとある実績名を見た方がいたら、少し不思議に思うかもしれません。何処にそんな光景が有るのでしょうか——?
- Opus Magnum
タイトルにある万能溶媒(Universal Solvent)は、本編最後に制作する化合物です。
全てを溶かすそれは、ある目的に利用されます——
[Z=5 果てしない機構都市]は、ゲームのスチームパンク的な世界観に合わせて命名しました。
なお、通常実績は象形文字に関わるものです。
- Dissembler
タイトル"IF"は、ゲーム内で流れるとある曲の名前です。
[Z=6 虚飾の美術館]は、ゲーム内でイラストに見えるパズルがいくつも登場することに由来します。
さて、おそらくこの章の実績名は見ると面食らうでしょう。
それもそのはず、このゲームには殆ど文字が出てこないのです。
では、この実績名は——?それは、ゲームを進めると分かります。
- I.Q FINAL
タイトル『未来と羅針』は、ステージ3で流れる曲名です。時計モチーフに合わせました。
[Z=7 印付けられた時計台]は、ゲーム内で転がるキューブを捕らえるため、マス目をマークする操作に由来します。
他の実績名も、このゲーム中に出てくる言葉や曲名に由来します。
- Islands of Insight
タイトルはこのゲーム名とゲーム内のとある場所の名前を合わせました。
[Z=8 深く眠る宝島]は、ゲームの世界観に沿った命名です。
他の実績名にも、ゲーム内のとある場所名の断片が有ります。
なお、当初は実績名に『放浪者の図書館』としようとして、ものの見事にSCP関連に引っ掛かり変更したという経緯が有ります。
- ぷよぷよクロニクル
タイトル『私は解く、何もかも!』はラスボスのテーマ曲を少し変えて名付けました。
[Z=9 閉ざされた最上階]は、ラスボスが待ち構える場所です。
通常実績名は、それぞれとあるキャラの連鎖ボイスから来ています。
挑戦実績名は——ぷよぷよクロニクルのストーリーに関わります。とある絵本に吸い込まれ、訳も分からず勇者になったアルル(主人公)ですが……
なお、ぷよぷよクロニクルのとあるキャラクターと並行パズル邂逅記Ⅱのとあるキャラクターの名前が被ったのは偶然です*30。
- Seven days to end with you
最後というテーマにふさわしいモチーフのゲームを採用しました。
[Z=10 約束の地点]という名称自体はストーリーに合わせていますが、残り少ない一緒に居られる一時を、最後に過ごす場所としての意味も有ります。
さて、このゲームは未知の言語をなんとかして理解するゲーム、なのですが……
ある程度進めると、実績名がそのゲームにどう関わるか分かるかもしれません。
因みに、10-C,Dの並行元が言葉のパズルなのはこのゲーム(と前作)が影響しています*31。
今後、並行パズル世界を観測される方へ
- 並行パズル邂逅記、および並行パズル邂逅記Ⅱの設定物やキャラクターについて
創作物など何かしらに出したい場合は、SNS等で私にお伝え下さい。
(基本的に大歓迎ですが、良識の範囲内でお願いします)
- 新しい並行パズルについて
新種並行パズルの観測に成功できた場合、ご自由に公表下さい。これには私の許可は必要ありません。
(『並行パズル』はバリアントを踏み越えた新種パズルという意味合いで用いている造語で、Parallel Universe Ⅱから名付けられました。
つまり、一般的な名詞と思ってもらって問題有りません)
但し、並行パズル邂逅記および並行パズル邂逅記Ⅱとの(単なる『並行パズル』としての側面を超えた)関連性がある、あるいは強く示唆される場合は上の項目に従います。
(『並行パズル邂逅記』は固有名詞のような扱いであるとお考え下さい)
- 参考資料
本作の構築にあたって参考にした作品をいくつか紹介します。
パラレルワールドを扱った作品は数多く有るのですが、本作はパズル方面にも重点を置いている為、それらからの着想は少なめです。
最後までお読み下さり、有難う御座いました。
いつか、どこかのあなたへ。
それでは、良い一日を。
▶ 記録完了 [100%/100%]
Congratulations!
▶ THE END『遺された記録』
かつて、忘れ去られた世界に住む案内人がいました。
かの者の最後の言葉は——パズルに込められました。
それは不思議にも、かの者も無自覚に……きっとあの世界そのものが、最後のパズルを解き明かす円の中に、旅人へのメッセージを隠したのです。
まだあなたに聞こえているのであれば。
最後に隠されたモザイクアートを、解き明かしてほしいのです。
あなたが用いた鍵を、今度は0~10として用いて……
あなたが探し出し、そして描いていく未来への、ささやかなメッセージとして。
——シルヴィより、旅人の皆様に深く感謝を込めて